私は結局2つのスタジオに作品を見てもらったことになるのですが、どちらとも作品と言えるものは持って行きませんでした。ただ、練習やラクガキを描いたクロッキー帳一冊を見てもらっただけです。
最初の作品はほぼ模写ばかり描きました。漫画やオークションでアニメのセル画の画像を見たりして模写していました。
次は骨格・筋肉についての図や人体のバランスの取り方の練習絵でした。最後の数ページに模写をしましたが、アニメ的な絵は少なく、あくまでも骨と肉のつながりを意識したものばかりです。
この機会にと、二つのの違いはどこにあるのか考えてみました。一番大きな違いは、模写をするとしても、人の線に引っ張られなくなったことかと思います。たとえプロが描いている絵だとしても、100%正しいラインを取っているのかといえば違うと思います。自分はこう思う・こうであるはずだ、というラインが必ず出てくるはずです。
でもプロが描いているんだから、自分が間違っているんだと考えを曲げてしまうのは間違いだと思います。今の時点で「自分はこう思う」と、その線を自信を持って描くことが大切なんだと思います。たとえそれが間違っていたとしても、一度意識して引いたラインについては自然に考えるようになるので、少しずつでも正解に近づいていくはずです。
後から、「あっあの人のラインはこれを表していたんだ」と気づくこともあれば「やっぱりこれは違うと思う」という時もあります。大切なのは自分の頭で考えて、意識して理解を深めることです。そこから生まれるラインは猿真似のラインより自身を向上させ、自分の味を出す手助けにもなると思います。
また、共通して感じたことは、何をおいてもまず「人間」。とりあえず人間が描けないとどうしようもない。動物やメカを描ける事も大切かと思いますが、人の次と考えてもいいと思います。というか、人間をうまく描ける人は動物やメカもうまく描けると思います。解剖学を勉強すれば、それらは人間の派生として考えられるようになります。
あと、作品を持って行った時は、どちらでも経済状況に関して聞かれました。親の理解はあるのか?とか、家から遠くないか?とかです。親には大成して旅行くらい行かせてやるからと理解してもらい、心配なくアニメーターを目指しましょう。
参考書籍
An Atlas of Anatomy for Artists
(Dover Anatomy for Artists)Fritz Schider
この表紙にやられました。有名な画家の素描もたくさん載っています。※文章は英語ですが特に問題ないと思います。
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